みやけばなし

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サイコパス萌え

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    可愛い女の子に思いっきり腹パンされたい。初対面の女の子に笑いながらいきなり腹パンされたら「ウッ」って言って絶対好きになってしまうと思う。

    ヤバイ女の子にめちゃくちゃにされたいという願望がある人は少なくないんじゃないか。穂村弘も昔エッセイで同じようなことを言っていたし、『栗山千明率いる謎の軍団に故郷の村を焼かれたい』という定型文があることからも一定の需要があると思われる。

 

    この衝動は萌えとも違うし色気とも違うし、なんだかよくわからない。強いて言えばマゾということになるのかもしれないが、どうもしっくりこない。戸川純のライブ映像を見ているときの感情というのは、『あああああああああああああ戸川純可愛いよおおおおおおおおお』であって、『ありがとうございます!』ではない。

 

    シュルレアリスムの絵画を見ると意味がわからな過ぎて怖さと笑いが同時に襲ってくる。意味不明なものに接触すると脳はアルコールを摂取した時のように心地良く酩酊した状態で機能停止する。そこに少量の『可愛い』が加わると、アルコールと薬を同時摂取した時のように、感情の針が一気に「可愛い」に振り切れる。という仮説を立てた。

 

    もっと掘り下げれば性別関係なく古くからマジキチ萌え、あるいはサイコキラー萌えというものが一定ジャンルとして存在するのかもしれない。古くはサロメ、近年だったらハンニバル・レクターとか。殺人鬼を見て『可愛い』という感情が湧いてくるのは自分でも不適切な気がするが、実際湧くから仕方がない。

 

    中学のとき初めて好きになった女の子が、とにかくよく笑う子だった。放課後一緒に帰っていると、突然意味不明なギャグを発して、自分で笑い出してしまう。そして走り出してしまうので、走って追いつかなければならない。そんなことを繰り返していたから今こんなことになっているのかもしれない。