UNDERTALE考察『電気仕掛けの箱型マシン』第1章 メタトン

【注意!】

 この考察はToby Fox氏制作のRPG『UNDERTALE』のネタバレを多分に含みます。

 未プレイの方はプレイ後にお読みいただくことを強く推奨します。

 また、この考察を通して特定の考察及び解釈を否定する意図はありません。あくまで個人の見解としてお読みください。

 

 

 

 

まえがき 

 メタトンについては多くの考察がなされてきたが、少なくとも私の観測範囲内では、それらを体系的にまとめたものがこれまで存在しなかった。例えば、ニコニコ大百科の記事には若干の誤りが含まれているし(コアに弾丸を当てても12000クリアは可能である)、UNDERTALE考察と銘打っている中でメタトンが取り上げられることはほぼなく、ほとんどが地下世界の歴史や、フリスクとキャラが同一人物かどうかといった物語の根幹に関するテーマを取り上げたものだった。

 先日メタトンEX戦の動画を投稿した際、コメント欄にあふれかえる解釈があまりにも多種多様なことに驚かされた。そして、こんなにも解釈が分かれるのは、たたき台にできる情報源がほとんど存在しないからではないか、という結論に至った。

 そこでこの考察では、ソウル売却済みプレイヤー向けに、基礎情報はできるだけ割愛し、メタトンとは何か、NEOとは何かについて、海外のFandom等を参考にして筆者が考えたことをまとめていくことにする。

 

 

 

 

UNDERTALE考察『電気仕掛けの箱型マシン』

 

まえがき

第1章 メタトン

1 ゴーストとは何か

2 メタトンとは何か

3 ハートがたのコアとは何か

4 箱状態のメタトンに攻撃が通らないのはなぜか

5 破壊されたメタトンを作り直すことは可能か

 

第2章 メタトンNEO

1 NEOの出生

2 NEOのコア

3 なぜ一撃死するのか

4 なぜ攻撃してこないのか

5 なぜ死体が残らないのか

 

番外編 UNDERTALEとジェンダーフリー

 

参考文献

 

 

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 第1章 メタトン

 

1.ゴーストとは何か

 まず、『タマシイ(ソウル)・『にくたい(ボディ)』・『こころ』という三つの概念を、フラウィの誕生を例にして整理しておく。

 

 アズリエルの肉体が付着した花にアルフィーケツイを注入したものがフラウィであるが、フラウィ本人が話すように、フラウィにはアズリエルのタマシイ(ソウル)は宿っていない。タマシイが宿っていない=ソウルレスの状態であるために、フラウィは何をしてもこころが動かなくなってしまった。このことから、意識はソウルに付随して存在するわけではなく、タマシイとは別途に意識を司る『こころ』という器官が独立して存在していることがわかる。

 

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 ・タマシイ(ソウル)…感情を生み出す器官←ケツイは人間のタマシイから抽出した成分

 ・にくたい(ボディ)…タマシイとココロの器

 ・こころ…意識を司る器官

 

 ここで、ゴーストについてこの3要素を備えているか考える。

 まず、ゴーストは『にくたい』を持っていない。にくたいを全く持っていないナプスタブルーク(以下、『ナプスタ』)、仮のにくたいをもってはいるが結合が不十分なぷんすかマネキン(以下、『マッダミ』)には物理攻撃が通らない。このことは今後の考察で重要になってくるので必ず押さえておく必要がある。

 次に『こころ』だが、どのゴーストにも明らかに意識があるように見て取れるため、あると仮定する(チュートリアル用マネキン(以下、『チューダミ』)は一見意識がないように見えるが、「にがす」を連打すると意識があることがわかる描写が見られる)。

 最後にタマシイ(ソウル)。ゲーム内では『ゴーストがタマシイを持っている』という直接的な明言はされていないものの、マッダミが「きさまの たましいを つかって バリアの そとへいく!」と発言していること(バリアの外へ出るにはモンスターのタマシイと人間のタマシイが一つずつ必要)、チューダミはともかく、ナプスタやマッダミは喜んだり悲しんだりしているように見えることから、モンスターと同様のタマシイがあるとみて間違いないだろう。

 

 つまり、ゴーストとは『にくたいを持たないモンスター』であり、『タマシイとこころだけの存在』である。

 

 

2.メタトンとは何か

 メタトンの正体はゴーストであり、失踪したナプスタのいとこ・ハプスタブルーク(仮称。以下『ハプスタ』)である。人間のようなにくたいを欲していたハプスタのタマシイとこころを、アルフィーの技術でロボットのボディに結合させることで誕生した。

…というのが定説であるが、この説にはいくつかの解決されていない疑問が存在する。

 次の項からその疑問点について一つずつ考察していく。

 

 

3.ハートがたのコアとは何か

 外観をそのまま捉えるなら、メタトンの腹部にある『ハートがたのコア』にはタマシイとこころが収められていると考えるのが自然だろう。ハプスタとしての本質を中央のコアに集約しておくことで、複雑な変形にも耐えるような設計になっているのではないか。

 

 外観といえば、二次創作におけるメタトンEX(以下、『EX』)のコアの描かれ方としては、フィールドグラフィック準拠の『水槽型』と戦闘画面準拠の『ベルト型』に分かれているようだ。デザインの好みの問題かもしれないが、筆者個人としては水槽型ではないかと考えている。

 

 

f:id:michemiyache:20180408135114p:plain フィールド上でのメタトンEXのコア

f:id:michemiyache:20180408135127p:plain 戦闘画面でのメタトンEXのコア

 

水槽型と考える理由

  • アズゴアとの決戦前に地面から出てくる水槽のような容器に入ったタマシイが、フィールド上のドット絵のメタトンのコアに外観が似ているため
  • EX戦で『ハート』が出てくるとき、周囲の枠が扉のように上下にパカッと開く描写があり、容器から『ハート』が出てきているように見えるため
  • タマシイについて研究していたアルフィーが、既にあったソウルを保存する技術をメタトンのコアに応用したとしても不自然ではないため

 

 ただ、水槽にタマシイが浮かんでいる腹部全体をコアと捉えると「ハート形のコア」という表現に矛盾が生じてしまう。よって、絶対に水槽型であると言い切れるものでもない。上下に開く描写も、そういうベルトであるという可能性もある。ただ、仮に水槽型だとすると、浮いているタマシイ自体も何らかのケースに入っており、それを『コア』と呼んでいるのではないかと筆者は考えている。

 

 

4 箱状態のメタトンに攻撃が通らないのはなぜか

 箱状態のメタトン(以下、『箱トン』)には一切の攻撃が通用しない一方、EXには通常のモンスターと同じように物理攻撃でダメージを与えることが可能である。この理由については、2つの説が考えられる。

 

説1 金属装甲で防御力がカンストしているから(金属装甲説)

 メタトン・アルフィー両氏の発言や、ゲーム内の防御力の数値(255)をそのままの意味でとれば、「単にカタいからだ」ということで話は終わる。特に異論はないと思われる。

 

説2 にくたいとタマシイが結合していないから(箱トン未結合説)

 箱トンの状態ではにくたいとタマシイが結合しておらず、EXは結合している、と考える説。Gルートのマッダミは、主人公に対する激しい怒りによって肉体との結合を成し遂げた。ここから類推するに、ゴーストの結合には本人の感情が大きな意味を持っていることがわかる。人間との戦闘が佳境に入り、盛り上がってきたところでEXに変身・お披露目できたことでテンションがマックスになり、強い情動で結合がなされたのではないか。ただ、アルフィーが「(EXに変身させれば)ダメージをあたえられるようになる」と言っているのがこれも織り込み済みだとしたら、アルフィーは相当鬼畜な対処法を提案しているということになってしまう。

 また、この説を裏付ける根拠がもう一つある。箱トンにダメージが通っているかのように見える描写があるバトルが、一つだけあるのだ。カラーパズル後の箱トンとのバトルである。

 

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 このバトルにおいてだけは(完全にやらせではあるが)Zを連打すると弾が箱トンに当たった瞬間弾かれずに被弾音が鳴る。もし箱トンが完全に金属装甲で弾を弾いているのだとしたら、このような描写にはならないのではないか?

 「EXには攻撃が通るんだから違う」と一瞬でいなされてしまいがちな説だが、筆者はあえてこちらの説を推す。その方がエモいからだ。

 

 

5 破壊されたメタトンを作り直すことは可能か

 EX撃破後に残った箱を調べると「(かんぜんに はかいされている) (しゅうりは ふかのうだろう)」というテキストが表示される。このことから破壊された箱体そのものを修理することはできないと思われるが、仮にメタトンの設計図が残されていたとして、全く同じボディをアルフィーが作ったとしたら、メタトンをもう一度『作る』ことはできるのだろうか。

 結論から言うと、それは不可能である。

 EXと和解してバッテリー切れにさせると、箱トンがEXに変身したときと同じ「パンッ」という効果音が流れ、上半身だけになったEXがフィールドに現れる。一方EXを倒すと、大きな爆発音が鳴ってボロボロになった箱が残される。このとき注意して聴くと、爆発音が鳴った後にモンスターのにくたいがチリになるときと同じ「シュー」という音も鳴っている。EXはにくたいとタマシイがモンスターと同様の形で結合しているため、にくたいが破壊されるとタマシイも壊れてしまうのだ。

 

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 また、戦闘後のアルフィーが「べつの ロボットを つくればいい だけだし!」という発言をしているが、「また作り直せばいい」「同じのを作ればいい」ではないことからも、同じものは二度と作れないことが暗示されている。この場面でのアルフィーは、ここで悲しんでしまうと主人公や観客にメタトンがロボットではないことがばれてしまうということを理解しており、メタトンの秘密を守るために悪役になっている。メタトンはアルフィーのために散々悪役を演じてきたが、この瞬間だけ立場が入れ替わり、お互いをかばいあっている。

 

(第2章へ続く↓)

michemiyache.hatenablog.com